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薬剤耐性対策、抗菌薬の適正使用だけでは不十分

2021年8月13日  専門誌ピックアップ

英国民保健サービス(NHS)イングランドが抗菌薬適正使用を目的に導入したQuality Premiumによる広域抗菌薬の処方率と大腸菌の薬剤耐性率の改善効果を検討。大腸菌菌血症患者の縦断的データを大腸菌の薬剤感受性試験のデータとひも付け、分割時系列解析と一般化推定方程式を用いて、広域抗菌薬の処方率の経時的な変化と大腸菌の薬剤耐性率の変化を推定した。 広域抗菌薬5種(アモキシシリン/クラブラン酸、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン)の合計処方率は、Quality Premium導入前は1カ月当たり0.2%上昇していたが(発生率比1.002、95%CI 1.000-1.004、P=0.046)、導入後は速やかに低下した(同0.867、0.837-0.898、P<0.0001)。1種類以上の広域抗菌薬に対する耐性率は、Quality Premium導入前は1カ月当たり0.1%上昇していたが(同1.001、0.999-1.003、P=0.346)、導入後は速やかに低下した(同0.947、0.918-0.977、P=0.0007)。Quality Premi...