先天性欠損症の原因遺伝子を同定、予防の可能性も
2021年10月10日
New England Journal of Medicine
生児出生の約3%に見られる構造的先天性欠損の遺伝的原因と治療薬候補を検討した。 世界のデータベースで両親の血縁関係が濃く神経発達障害の子がいる2万248家族を検索すると、患児の約3分の1に構造的先天異常または小頭症があった。患児または両親から入手した検体のエクソームシーケンスまたはゲノムシーケンスなどによって病原性変異を同定したのち、この変異を導入(ノックイン)した妊娠マウスに低分子Wnt作動薬を投与した。 その結果、血縁関係のない5家族の患児10例で、Wntリガンド分泌メディエータ(WntlessまたはWLS)をエンコードするWLSのホモ接合型変異を同定した。患児には、小頭症や顔面形態異常のほか、合趾症、先天性腎無形成、脱毛症、虹彩欠損、心欠損などの多臓器欠損があった。ノックインマウスでは、Wntシグナル伝達の強度および胚発生でのWntの機能に一致する組織や細胞に脆弱性が認められた。低分子Wnt作動薬を投与すると、胚発生が部分的に回復した。...
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