産科領域の播種性血管内凝固(DIC)患者に用いるアンチトロンビンIIIの効果を全国観察研究で検討した。 全国入院患者データベースを用いて、病院で出産したDIC患者を特定。出産日のアンチトロンビンIII使用の有無で、入院中の院内死亡率および子宮摘出術施行率を比較した。傾向スコアマッチング法によりアンチトロンビンIII使用群と非使用群にそれぞれ3290例を組み入れた。 その結果、アンチトロンビンIII使用群と非使用群の院内死亡率に有意差はなかった(使用群0.3% vs. 非使用群0.5%、オッズ比0.73、95%CI 0.35-1.54)。アンチトロンビンIII使用群の方が非使用群よりも、入院中に子宮摘出術を受けた患者の割合が有意に低かった(5.3% vs. 8.7%、絶対リスク差-2.9%、95%CI -4.2--1.6%)。...
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