人工妊娠中絶薬の制限解除後も中絶率は一定

2017年11月、カナダで薬剤誘発性人工妊娠中絶に用いるmifepristoneの処方制限が解除された。そこで、オンタリオ州の行政データを用いて、ミフェプリストンの制限解除前後（2012年1月から2016年12月と2017年11月から2020年3月）の人口妊娠中絶の施術、安全性、有効性を分割時系列解析で比較した。 その結果、規制前の人口妊娠中絶件数は19万5183件、制限撤廃後は8万4032件だった。mifepristoneが通常処方となってからの人口妊娠中絶率は、規制時に予期されたものより緩やかだが低下が続いた（時系列解析での調整済みリスク差、15-49歳の女性住民1000人当たり1.2、95％CI 1.1-1.4）。医療処置としての人口妊娠中絶は2.2％から31.4％に増加した（調整済みリスク差28.8％ポイント、同28.0-29.7）。規制前後で重度の有害事象（0.03 vs. 0.04％、調整後リスク差0.01％ポイント、95％CI －0.06-0.03）、合併症（0.74％ vs. 0.69％、同0.06％ポイント、－0.07-0.18）、人口妊娠中絶後に認めた子宮外妊娠（0...