高齢者の股関節手術後せん妄、区域麻酔で頻度改善せず

股関節脆弱性骨折患者（65歳以上）941例を対象に、区域麻酔（鎮静を実施しない脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔または脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔）と全身麻酔（静脈麻酔、吸入麻酔または麻酔薬併用）による術後せん妄発生率を多施設共同無作為化割り付け隠匿非盲検試験（RAGA試験）で比較。主要評価項目は、術後7日以内のせん妄発生率とした。 その結果、主要評価項目は区域麻酔群の6.2％、全身麻酔群の5.1％に発生した（未調整リスク差1.1％、95％CI －1.7-3.8、P＝0.48、未調整相対リスク1.2、95％CI 0.7-2.0、P＝0.57）。せん妄重症度平均スコアは、区域麻酔群23.0に対して全身麻酔群24.1だった（未調整差－1.1、95％CI－4.6-3.1）。疼痛スコアと入院期間にも差はなかった。それぞれ8例（1.7％）、4例（0.9％）が死亡した（相対リスク2.0、95％CI 0.6-6.5）。有害事象は、区域麻酔群に106件、全身麻酔群に102件発現し、主な有害事象に悪心・嘔吐（44.3％ vs. 33.3％）および術後低血圧（12.3％ vs. 9.8％）があった。...