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駆出率40%以上の心不全に心房シャントデバイスは無効

2022年2月10日  Lancet

駆出率が保たれているか軽度に低下している心不全患者を対象に、心房シャントデバイス(IASD System II)の効果を無作為化国際盲検偽処置対照試験で検討した(REDUCE LAP-HF II試験)。 駆出率が40%以上で、運動負荷時の肺毛細血管楔入圧が25mmHg以上かつ右房圧よりも5mmHg以上高い40歳以上の症候性心不全患者626例を無作為化によりシャントデバイス群と偽処置群に割り付けた。主要評価項目は、12カ月時点の心血管死亡または非致命的虚血性脳卒中、24カ月までの心不全事象の発現率および12カ月時点のKansas City Cardiomyopathy Questionnaire(KCCQ)総サマリースコアの変化の複合とした。 その結果、主要複合評価項目に群間差はなく(win ratio 1.0、95%CI 0.8-1.2、P=0.85)、主要評価項目の各項目にも群間差はなかった。事前に定めたサブグループで心不全事象に対する心房シャントデバイス治療の効果の差が示されたのは、20Wの運動負荷時の肺動脈収縮期圧(>70mmHgで転帰不良)、右房容積係数(≧29.7mL/m2で...