心不全の予後、鉄欠乏症の定義により差
2022年2月22日
Journal of the American College of Cardiology
2001-19年に循環器クリニック単一施設に通院していた慢性心不全患者4422例(平均年齢75歳、男性60%、駆出率が低下した心不全32%)を対象に、鉄欠乏症の基準の差が有病率や転帰に及ぼす影響を検討。現行のガイドラインでは、血清フェリチン100ng/mL未満または血清フェリチン100-299ng/mLでトランスフェリン飽和度(TSAT)20%未満を鉄欠乏症と定義している。 その結果、46%がTSATが20%未満で、48%が血清鉄13μmol/L以下、57%が血清フェリチン100ng/mL未満だった。68%がガイドラインの基準を満たしており、そのうち35%のTSATが20%を超えていた。鉄欠乏症は、定義に関係なく、女性、重度の症状がある患者、貧血または駆出率の保たれた患者に多かった。ガイドラインの基準ではないものの、TSAT 20%未満の患者(ハザード比1.27、95%CI 1.14-1.43、P<0.001)および血清鉄13μmol/L以下の患者(同1.37、1.22-1.54、P<0.001)の5年死亡率が高かった。血清フェリチンが100ng/mL未満だと死亡率が低い傾向にあった(...
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