1. m3.comトップ
  2. 海外ジャーナル
  3. 抗ドパミン制吐薬で虚血性脳卒中リスク上昇

抗ドパミン制吐薬で虚血性脳卒中リスク上昇

2022年4月2日  British Medical Journal

フランスの医療費償還データを用いて、抗ドパミン作用がある制吐薬(ADA)使用と虚血性脳卒中発症リスクの関係を症例・時間対照研究で検討した。 2012-16年に虚血性脳卒中を初めて発症し、発症前70日間にADA償還が1回以上あった患者を症例とし、リスク期間(発症の14-1日前)と3つの参照期間(70-57日前、56-43日前、42-29日前)のADA償還の頻度を比較した。年齢、性別などをマッチさせた脳卒中を発症しなかった対照群を設定し、時間経過に伴う傾向を制御した。 その結果、脳卒中の発症が確認された2612例のうち、1250例がリスク期間中、1060例が参照期間中にADAを投与されていた。同期間にADAの投与を受けた対照者5128例および1万3165例との比較では、調整オッズ比の比が3.12(95%CI 2.85-3.42)だった。ADAで層別化した解析の調整オッズ比の比は、ドンペリドンが2.51(2.18-2.88)、metopimazineが3.62(3.11-4.23)、メトクロプラミドが3.53(2.62-4.76)だった。感度分析から、使用開始後数日間にリスクが高くなることが...