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外傷性出血性ショックへの病院前輸血、優越性示せず

2022年4月4日  専門誌ピックアップ

外傷性出血性ショック患者432例を対象に、病院前救急診療での濃厚赤血球および凍結乾燥血漿(PRBC-LyoPlas)による組織灌流改善と死亡抑制効果を多施設非盲無作為化第III相試験で比較(RePHILL試験)。主要評価項目は、死亡および乳酸クリアランス低下の複合とした。試験は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行のため、予定していた被験者数に達する前に募集が中止された。 追跡期間中央値は、PRBC-LyoPlas群が9日、対照の0.9%塩化ナトリウム群が7日だった。複合主要評価項目発生率は、PRBC-LyoPlas群が64%、0.9%塩化ナトリウム液群が65%だった(調整後リスク差-0.025%、P=0.996)。救急外来到着後24時間以内の輸血関連合併症の発生率に群間差はなかった(PRBC-LyoPlas群7% vs. 0.9%塩化ナトリウム群7%、調整後相対リスク1.05、95%CI 0.46-2.42)。重篤な有害事象に急性呼吸窮迫症候群があったが(6% vs. 2%)、治療関連死は見られなかった。...