COVID-19の嗅覚障害にステロイドは有効か

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）患者に急性発症した嗅覚障害に対する局所ステロイドの効果をコホート研究の系統的レビューおよびメタ解析で検討した。 その結果、対照群（プラセボまたは無治療）と比較すると、ステロイド群の2週時点および4週時点の嗅覚スコア改善度が高かった（2週時点：標準化平均差0.7272、95％CI 0.3851-1.0692、P＜0.0001；4週時点：1.0440、0.6777-1.4102、P＜0.0001）。嗅覚脱失／嗅覚低下の完全回復達成率に有意差は見られなかった（オッズ比1.4345、95％CI 0.9525-2.1604、P＝0.0842）。 サブグループ解析では、4週時点の嗅覚スコア改善のオッズ、嗅覚脱失／嗅覚低下の完全回復のオッズいずれでも、無作為化比較試験とそれ以外の試験に有意差は見られなかった（嗅覚スコア改善：無作為化比較試験0.6177、95％CI 0.1309-1.1045、無作為化比較試験以外0.1720、0.8002-1.5438、P＝0.0761；嗅覚脱失／嗅覚低下の完全回復：順に1.8478、0.6092-5.6053）、1.37...