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肝硬変へのPPI、消化管出血例では死亡率低下

2022年5月21日  専門誌ピックアップ

米国退役軍人保健局に登録された肝硬変患者7万6251例を対象に、プロトンポンプ阻害薬(PPI)への曝露による全死因死亡、感染症および代償不全への影響を後ろ向き研究で検討。2万3628例がPPIを使用していた。 その結果、PPIへの曝露は、消化管出血による入院歴がある患者では全死因死亡のハザード低下が見られたが(ハザード比0.88、95%CI 0.84-0.91、P<0.001)、それ以外の患者では有意な関連が見られなかった(同0.99、0.97-1.02、P=0.58)。 消化管出血による入院歴がない患者ではPPI累積曝露で死亡率が上昇した[320mg-months(オメプラゾール当量)当たりのハザード比1.07、95%CI 1.06-1.08、P<0.001]。PPIへの曝露に重症感染症(同1.21、1.18-1.24、P<0.001)および代償不全(同1.64、1.61-1.68、P<0.001)のリスクが有意に上昇した。 死因別解析で、PPI曝露で肝臓関連死亡率が上昇し(同1.23、1.19-1.28)、非肝臓関連死亡率が低下した(同0.88、0.85-0.91)。...