Th/To抗体陽性の強皮症、38％が肺高血圧症発症

全身性強皮症（SSc）患者612例（平均年齢52歳、女性76％）を対象に、抗Th/To抗体陽性SScの長期転帰および臨床症状を症例対照研究で検討した。 その結果、抗Th/To抗体陽性群は陰性群より皮膚硬化なし（P＜0.0001）、肺高血圧症（PH、P＜0.0001）、間質性肺疾患（ILD、P＝0.05）の発生率が高く、筋肉および関節の症状の頻度が低かった（P＜0.0001）。臨床的追跡期間中央値6.1年でのPH発症率は陽性群が38％、陰性群が15％、WHO分類1の肺動脈性肺高血圧症（PAH）発症率はそれぞれ23％、9％だった（いずれもP＜0.0001）。年齢および性別で調整した解析で、抗Th/To抗体陽性で初診から10年後のPH発症リスクが3.3倍増加した。...