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クロザピン長期使用で造血器腫瘍リスク上昇

2022年6月14日  専門誌ピックアップ

フィンランドの全国登録データを用いて、統合失調症患者のクロザピンおよび他の抗精神病薬の使用と造血器悪性腫瘍の相関を検討。統合失調症診断後にリンパ系および造血器の悪性腫瘍の診断を受けた患者375例とマッチさせたがんのない対照3734例を症例対照研究の対象とし、統合失調症患者5万5949例をコホート研究の対象とした。 その結果、造血器悪性腫瘍の累積発症率はクロザピンを使用していた患者が0.7%(1万3712例中102例)、他の抗精神病薬を使用していた患者が0.5%(4万4171例中235例)だった。クロザピン非使用者との比較で、クロザピン使用により造血器悪性腫瘍のオッズの用量反応的な上昇が見られた(5000日以上の累積曝露での調整後オッズ比3.35、95%CI 2.22-5.05、P<0.0001)。他の抗精神病薬の使用によるオッズの上昇は見られなかった。統合失調症患者コホートの17年の追跡で、クロザピン使用者の造血器悪性腫瘍による死亡は37例、無顆粒球症による死亡は3例だった。...