両側性前庭障害の高齢者は認知機能が低い

両側性前庭障害（BV）高齢患者34例（平均年齢63.3歳、男性53％）と年齢、性別および聴力でマッチさせた健常者34例を対象に、BVと認知機能の相関を横断研究で検討。主要評価項目はRepeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status for Hearing-Impaired Individuals（RBANS-H）で評価した認知機能とした。 その結果、BV患者群は非患者群よりRBANS-H総尺度のスコアが低く、臨床的意義のある差が確認された。（平均スコア：98.62 vs. 105.91）。サブドメイン別では短期記憶（107.74 vs. 112.26）、視空間認知（90.06 vs. 100.47）、注意（94.79 vs. 102.06）でスコアの低さが顕著に見られたが、言語や遅延記憶には差が見られなかった。BV患者群のPerformance-Oriented Mobility Assessmentの特にバランスサブ尺度スコアは、より低い認知機能スコアと関連したが（r32＝0.51、η2 ＝0.26）、...