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整形外科手術がpAD患者の腸内環境やバリア機能に影響

2022年7月22日  Annals of Surgery

整形外科手術を施行した高齢患者135例を対象に、主観的認知機能低下(SCD)またはアルツハイマー病による健忘型軽度認知障害(aMCI)(prodromal AD:pAD)がある患者の術後に見られる腸内微生物叢および腸管バリア機能の変化を前向き観察コホート研究で検討した。40例が認知機能正常で、58例にSCD、37例にaMCIがあった。術前、術後1、3、7日目(または退院前)に血中サイトカインを測定した。 術前評価の結果、pAD群は認知正常群より短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌が少なく、グラム陰性菌、菌体内毒素(LPS)、タイトジャンクション構成タンパク質(TJ)が多かった。認知正常群との比較で、pAD群では術後に有意なSCFA産生細菌の低下、グラム陰性菌および血漿クローディンの増加が見られた。術後7日目、pAD群ではSCFA産生細菌とTJおよびサイトカインに負の相関が認められた。手術による周術期の代謝ストレスおよび炎症反応に腸内微生物叢の変化との相関が認められた。...