コロナ外来患者にエノキサパリン予防投与は無益

スイスおよびドイツの新型コロナウイルス感染症（COVID-19）外来患者472例（年齢中央値57歳、女性46％）を対象に、エノキサパリン予防投与による重症転帰（入院や死亡）予防効果を第III相多施設共同無作為化非盲検並行群間試験で検討（OVID試験）。試験は事前に定めた有効性中間解析（全対象者の50％）時点で、独立データ安全性モニタリング委員会の勧告により早期終了となった。 複合主要評価項目とした入院または死亡の30日リスクは、エノキサパリン群（3％）と血栓予防薬を用いない標準治療群（3％）で同程度だった（補正後相対リスク0.98、95％CI 0.37-2.56、P＝0.96）。入院はいずれもCOVID-19に起因するものだった。死亡の報告はなく、大出血事象もなかった。エノキサパリン群では重篤な有害事象が8件発現したのに対し、対照群では9件発現した。...