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自閉症スペクトラム障害自体はがんの危険因子ではない

2022年8月3日  専門誌ピックアップ

スウェーデンで、自閉症スペクトラム障害(ASD)によるがんリスクを住民対象コホート研究で検討。1987-2013年に北欧出身の母親から生まれた230万人を2016年(最長30歳)まで追跡した。潜在的交絡因子で調整後、ロジスティック回帰を用いて、オッズ比と95%信頼区間(CI)によりASDによるたがんの相対リスクを推定した。 その結果、ASD患者はASDがない人よりがんリスクが高かった(オッズ比1.3、95%CI 1.2-1.5)。特に、狭義の自閉性障害(同1.7、1.3-2.1)、先天異常を併発したASD(同2.1、1.5-2.9)、先天異常と知的障害を併発したASD(同4.8、3.4-6.6)にこの関係が顕著に見られた。知的障害を併発したASDでも影響が示唆されたが、統計学的に有意ではなかった(同1.4、0.9-2.1)。ASDがあっても知的障害や先天異常の併発がない場合は、がんリスクの上昇が見られなかった(同1.0、0.8-1.2)。...