上咽頭がん、腫瘍内細菌量で予後予測

がん既往や遠隔転移がない抗腫瘍治療の実施歴もない上咽頭がん（nasopharyngeal carcinoma：NPC）患者802例（平均年齢46.2歳、男性74.1％）を対象に、予後予測に用いる腫瘍内微生物叢の臨床的意義を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、腫瘍組織内に微生物叢が確認され、コリネバクテリウム属菌および黄色ブドウ球菌が優勢だった。新鮮凍結NPC検体241個の解析で、細菌量（bacterial load）が多い患者は細菌量が少ない患者より無病生存率（ハザード比2.90、95％CI 1.72-4.90、P＜0.001）、無遠隔転移生存率（同3.18、1.58-6.39、P＜0.001）、総生存率（同3.41、1.90-6.11、P＜0.001）が低いことが示され、パラフィン包埋検体を用いた内的（233個）および外的（232個）妥当性検証でも確認された。...