体位性頻脈症候群、恐怖が誘発する心因性疾患か

体位性頻脈症候群（postural tachycardia syndrome）患者28例（年齢31±12歳、女性25例）とマッチさせた対照者21例を対象に、恐怖条件付けが立位中の頻脈および脳低灌流に演じる役割を横断研究で検討した。 その結果、患者群は対照群より身体的覚醒状態（P＝0.0167）および不安（P＜0.0001）が強く、傾斜テーブル検査で直立位置になる直前の予期不安による頻脈（anticipatory tachycardia）が顕著だった（P＝0.015）。患者群では、立位中に頻拍（P＜0.001）、血漿カテコールアミン値増加（P＝0.020）、呼気終末CO2分圧低下（P＝0.005）、中大脳動脈の血流速度低下（P＝0.002）が認められた。多重線形ロジスティック回帰モデルの解析で、エピネフリン分泌および過度の身体的覚醒状態で頻脈および過換気の程度が予測できた。...