潰瘍性大腸炎の糞便移植、ドナー微生物叢の安定性と均一性が重要
先行臨床試験で潰瘍性大腸炎(UC)に対する糞便微生物移植(FMT)の有効性が100%だったドナー1および有効性が36%だったドナー2の2例を対象に、腸内微生物叢の差を検討。便検体の採取期間はドナー1が44週間、ドナー2が70週間だった。 その結果、ドナー1の腸内微生物叢の長期安定性が極めて高かった。2件の臨床試験でドナー微生物叢の種の均一性は臨床的有効性を左右する強力な因子で、患者での生着率増加につながることが示された。ドナー間で腸内微生物叢のα多様性およびβ多様性に有意差が認められた。90種の細菌種および1種の古細菌の占有率がドナー間で異なり、うち44種では相対的占有率が0.1%超だった。44種のうち17種はドナー1に豊富に認められ、うち11種は質の高いゲノム配列が復元され、6種は患者での定着の根拠が示された。ドナー間の分類学的な差は、メタボロミクスで確認された大幅な微生物機能の差として説明可能だった。...
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