高齢者の嗅覚障害に頭部外傷との関連

ARIC（地域のアテローム性動脈硬化症リスク）試験に参加した高齢者5951例（平均年齢75.6歳、女性58.8％、黒人22.8％）を対象に、頭部外傷と主観的および客観的（心理物理的）な嗅覚機能の関連を前向きコホート研究で検討。1666例（28.0％）に頭部外傷既往歴があった。12種Sniffin’ Sticks検査で客観的嗅覚機能を評価した。 その結果、頭部外傷の既往がある高齢者は、ない高齢者と比べて主観的嗅覚機能障害報告率（24％ vs. 20％、差4％）および客観的嗅覚喪失発生率（15％ vs. 13％、差2％）が高かったが、主観的評価と客観的評価の一致率は低かった（72％ vs. 77％、差－5％）。社会人口統計学的因子および併存疾患で調整したロジスティック回帰モデルでは、特に複数回および重症の頭部外傷の既往がある高齢者の主観的嗅覚機能障害の自己報告率および客観的嗅覚喪失発生率が高かった。...