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左心耳閉鎖の恩恵、脳卒中と出血のリスクにより差

2022年8月30日  Annals of Internal Medicine

脳卒中既往歴のない非弁膜症性心房細動(AF)患者を対象に、患者の虚血性脳卒中および出血のリスク別の脳卒中予防の至適治療をマルコフモデルによる決定分析で検討。主要評価項目は質調整生存年(QALY)を指標とする臨床的便益とし、左心耳閉鎖術(LAAO)とワルファリンまたは直接経口抗凝固薬(DOAC)を比較した。 ベースラインの脳卒中および出血のリスクによりLAAOと抗凝固薬どちらが適しているかが決まった複合リスクは、出血リスクが高い場合はLAAOが適していたが、脳卒中リスクが高い場合はその便益が不確実だった。例えば、出血リスクがHAS-BLEDスコアで5点の場合、脳卒中発症リスクがCHA2DS2で2-5点としたモデルシミュレーションの80%超でLAAOが適していた。出血リスクが低い場合(HAS-BLEDスコア0-1点)にQALYでLAAOの便益が得られる可能性(80%超)は脳卒中リスクの低い患者(CHA2DS2スコア2点)に限定された。...