コロナ入院患者、抗原量で重症化を予測

10カ国114施設に新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）感染のため入院した成人患者2540例を対象に、ヌクレオカプシド抗原（N抗原）量の臨床転帰予測能を横断研究で評価した（TICOプラットフォーム試験）。 その結果、登録時の呼吸器症状の重症度にN抗原血漿濃度との強い相関が認められ、非侵襲的換気または高流量鼻カニューレを要する患者の抗原血漿濃度平均値がいずれも必要としない患者より3.10倍（95％CI 2.22-4.34）高かった。抗スパイク抗体がない患者（6.42倍、95％CI 5.37-7.66）およびデルタ株感染患者（1.73倍、同1.41-2.13）は抗原量が多かった。抗原量増加のその他の関連因子に、男性、入院後の日数が短い、レムデシビル使用期間が短い、腎障害があった。人種、民族、BMIおよび免疫不全状態との相関は認められなかった。 抗原血漿濃度が1000 ng/L以上だと5日目の呼吸器状態悪化のオッズが顕著に高く（オッズ比5.06、CI 3.41-7.50）、退院までの時間が長かった（中央値7日 vs. 4日、サブハザード比0.51、CI 0.45-0.57）。...