下部直腸がん手術、腹腔鏡と開腹の病理学的転帰同等

下部直腸がん患者1070例を対象に、腹腔鏡下手術と開腹手術の短期転帰を無作為化試験で比較（LASRE試験）。1039例（腹腔鏡群685例、開腹群354例）を修正intention-to-treat解析の対象とした。 その結果、完全直腸間膜切除率は腹腔鏡群85.3％、開腹群85.8％（差－0.5％、P＝0.78）、circumferential resection margin陰性率は98.2％、99.7％（差－1.5％、P＝0.09）、distal resection margin陰性率は99.4％、100％（差－0.6％、P＝0.36）、摘出リンパ節数中央値は13.0個、12.0個（差1.0個、P＝0.39）だった。腹腔鏡群は開腹群より括約筋温存率が高く（71.7％ vs. 65.0％、P＝0.03）、入院期間が短かった（8.0日 vs. 9.0日、P＝0.008）。術後合併症発生率に有意な群間差はなかった（13.0％ vs. 17.2％、P＝0.07）。30日以内の死亡例の発生もなかった。...