冠動脈疾患疑いの初期検査、CT vs. 冠動脈造影

閉塞性冠動脈疾患の検査前確率が中程度の安定胸痛患者3561例（女性2002例、男性1559例）を対象に、初期画像診断に用いるCTと侵襲的冠動脈造影（ICA）の男女別の有効性を多施設実用的無作為化試験で比較。女性の98.9％、男性の99.0％が中央値3.5年の追跡を完了した。 その結果、主要有害心血管事象（MACE：心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中）（P＝0.29）、拡張MACE複合評価項目（MACE、一過性脳虚血発作、重大な手技関連合併症）（P＝0.45）および重大な手技関連合併症（P＝0.11）に統計的有意な性別との相互作用は見られなかった。男女ともにCT群とICA群のMACE発生率に差がなかった。CT群はICA群に比べて、男性の拡張MACE複合評価項目の発生率が低く（2.8％ vs. 5.3％、ハザード比0.52、95％CI 0.31-0.87）、女性の重大な手技関連合併症の発生率が低かった（0.3％ vs. 2.1％、同0.14、0.04-0.46）。...