脛骨髄内釘固定の横切開と縦切開、術後膝前部痛に差なし

脛骨骨幹部骨折への髄内釘固定術を受ける患者を対象に、横切開（68例、伏在神経膝蓋下枝を温存し得る切開法）と縦切開（68例）による術後膝前部痛の発生を多施設無作為化試験で比較（TRAVEL試験）。主要評価項目は、数値的評価尺度（NRS）に基づく膝立ち時の痛み（kneeling pain）とした。 その結果、12カ月後の膝立ち時の痛みの推定周辺平均値は横切開群が2.4、縦切開群が3.7だった。回帰分析で、経時的な群間差は認められなかった。日常活動での膝痛スコア、機能的転帰スコアおよびQOLも両群で同等だった。膝蓋下神経損傷（infrapatellar nerve injury）の徴候の割合は横切開群で低かった（18％ vs. 54％、P＜0.001）。...