ERBB2陽性乳がん、tucatinib追加でOS改善

治療歴のあるERBB2（HER2）陽性転移性乳がんに対するトラスツズマブとカペシタビンの併用へのチロシンキナーゼ阻害薬tucatinibの上乗せ効果を検討した無作為化試験（HER2CLIMB試験）の探索的サブグループ解析で、脳転移患者の総生存期間（OS）および頭蓋内転帰を評価。試験開始前、612例中291例に脳転移があった。 その結果、中央値29.6カ月の追跡で、tucatinib群のOS中央値（21.6カ月）がプラセボ追加群（12.5カ月）より9.1カ月長かった。tucatinib群はプラセボ併用群より頭蓋内無増悪生存期間および頭蓋内客観的奏効率に対する大きな臨床的便益が得られた。頭蓋内奏効期間は、tucatinib群が8.6カ月、プラセボ群が3.0カ月だった。全体で、tucatinib群の方が初回進行部位となる新規脳病変または死亡のリスクが45.1％低かった（ハザード比0.55、95％CI 0.36-0.85）。...