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飲酒による肝硬変、禁酒で門脈圧亢進症の予後改善

2023年1月14日  専門誌ピックアップ

臨床的に重大な門脈圧亢進症[肝静脈圧較差(HVPG)10mmHg以上]の診断を受けたアルコールに起因する肝硬変患者を対象に、禁酒の臨床的意義を検討。評価項目は、禁酒、肝代償不全、死亡とした。 対象者320例(年齢中央値57歳、男性75.6%、非代償期87.5%、HVPG中央値20mmHg)を中央値で36カ月間追跡した。75.3%が禁酒を継続し、24.7%が飲酒していた。研究開始前のHVPG、Model for End-Stage Liver Diseaseおよびそれまでの代償不全で調整すると、禁酒で肝代償不全のリスク(調整ハザード比0.391、P<0.001)、肝臓関連死亡(同0.428、P<0.001)および全死亡(同0.453、P<0.001)の有意な低下が見られた。禁酒によりHVPG 10-19mmHg(P<0.001)およびHVPG 20mmHg以上(P=0.002)の患者の肝代償不全累積発生率が有意に低下した。3年後の肝代償不全の確率は、HVPG 10-19mmHgでは禁酒者が32.4%、飲酒者が60.0%、HVPG 20mmHg以上ではそれぞれ57.5%、82.6%だった。...