DOAC服用の脳卒中患者に血栓溶解は安全？

虚血性脳卒中患者3万3207例を対象に、直接経口抗凝固薬（DOAC）服用による静脈内血栓溶解療法（IVT）後の症候性頭蓋内出血（sICH）のリスクを多施設共同前向きコホート研究で検討。脳卒中発症前48時間以内のDOAC最終服用が確認された患者832例をDOAC服用歴がない対照3万2375例と比較した。主要評価項目は、IVT後36時間以内のsICH（NIH脳卒中尺度で4点以上悪化し、放射線検査で確認された頭蓋内出血に起因するものと定義）とした。 対象患者の43.5％が女性で、年齢中央値は73歳、NIH脳卒中尺度スコアの中央値は9点だった。DOAC服用患者の30.3％にIVT前にDOAC中和（全例イダルシズマブ）、27.0％にIVT前にDOAC血中濃度測定を実施し、42.7％にはDOAC中和もDOAC濃度測定もせずにIVTを実施した。未調整のsICH発生率は、DOAC服用患者が2.5％、対照患者が4.1％だった。DOAC服用患者は対照者よりもIVT後のsICHのオッズが低かった（調整オッズ比0.57、95％CI 0.36-0.92）。...