多発性硬化症のPIRA、初回脱髄発作時の年齢が予測因子

1994年1月1日から2021年7月31日まで実施されたコホート研究に参加した多発性硬化症患者1128例（平均年齢32.1歳、女性69.2％）を対象に、「再発に関係のない神経障害の進行（progression independent of relapse activity：PIRA）」の臨床的および神経画像的予測因子ならびに長期臨床転帰の関連因子を検討。PIRAを認めた時期により、初回脱髄発作から5年以内を早期PIRA、5年以降を後期PIRAとした。 その結果、PIRAの唯一の予測因子は初回脱髄発作時の年齢の高さだった（10歳増加ごとのハザード比1.43、95％CI 1.23-1.65、P＜0.001）。PIRAが見られた患者は、PIPAのない患者よりExpanded Disability Status Scale（EDSS）の年間増加率が高く（0.18、95％CI 0.16-0.20 vs. 0.04、95％CI 0.02-0.05、P＜0.001）、EDSS 6.0に達するリスクが8倍高かった（ハザード比7.93、95％CI 2.25-27.96、P＝0.001）。早期PIRAは後...