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UC患者のIBD関連がんリスク、生物学的製剤の使用で低下

2023年2月11日  専門誌ピックアップ

炎症性腸疾患(IBD)関連腸腫瘍(異形成またはがん)の診断を受けたクローン病(CD)患者214例および潰瘍性大腸炎(UC)患者828例の診療記録を用いて、生物学的製剤がIBD関連進行腸がんリスクに及ぼす影響を検討。使用した治療薬を生物学的製剤、5-アミノサリチル酸製剤、免疫調節薬に分類し、がんの病理学的病期を比較した。 その結果、CD患者では、がんの病期と有意な関連を示す薬剤はなかったが、UCでは、病期が進行している患者は生物学的製剤(早期がん7.7% vs. 進行がん2.0%、P<0.001)、5-アミノサリチル酸製剤および免疫調節薬の使用率が有意に低かった。生物学的製剤を使用していると、定期的な経過観察で診断される進行がんの発生率が低下かった(生物学的製剤不使用24.5% vs. 生物学的製剤使用9.1%、P=0.043)が、その他の薬剤に関連は認められなかった。多変量解析では、生物学的製剤を使用している患者は進行がんリスクが有意に低かった(オッズ比0.111、95%CI 0.034-0.356、P<0.001)。...