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アントラサイクリン系薬剤の心不全リスク、15年後も2倍以上

2023年3月2日  専門誌ピックアップ

1985-2010年に乳がんまたはリンパ腫と診断された患者812例と健常対照者1384例を対象に、アントラサイクリン系薬剤投与によるうっ血性心不全(CHF)の長期累積発生率を後ろ向き症例対照研究で検討した。 その結果、がん患者は対照者に比べて、年齢、性別、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、高脂血症、肥満および喫煙で調整後もCHFリスクが高かった(ハザード比2.86、95%CI 1.90-4.32、P<0.001)。アントラサイクリン系薬剤投与患者はCHFリスクが高く(同3.25、2.11-5.00、P<0.001)、非投与例では統計的有意ではなかった(同1.78、0.83-3.81、P=0.14)。アントラサイクリン系薬剤投与患者は対照者に比べて、1年後(1.81% vs. 0.09%)、5年後(2.91% vs. 0.79%)、10年後(5.36% vs. 1.74%)、15年後(7.42% vs. 3.18%)および20年後(10.75% vs. 4.98%)のCHF累積発生率が高かった(P<0.001)。診断時の年齢がCHFの独立危険因子だった(10歳当たりのハザード比2.77、1.9...