重度難聴高齢者、人工内耳で認知機能改善

軽度認知障害（MCI）のリスクがあり人工内耳の適応がある重度難聴高齢者21例（平均年齢72±9歳、男性62％）を対象に、人工内耳埋め込み前後の認知機能を単施設前向き縦断コホート研究で評価。術前に測定したRepeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status for hearing-impaired patients（RBANS-H）の総合スコアで全対象者にMCIを認めた。人工内耳の音入れ前および音入れから12カ月後のRBANS-Hによる認知評価を比較した。 その結果、人工内耳埋め込みで12カ月後の全般的認知機能が改善した（パーセンタイルの中央値 5 vs. 12、差 7）。8例（38％）では術後にMCIのカットオフ値（パーセンタイル値16）を超えたが、全体の認知スコア中央値はこのカットオフ値未満を維持した。騒音下での音声認識は音入れ後に改善し［平均スコア 17.16 vs. 5.67、差 －11.49、スコアが低いほど改善］、この改善は認知機能の改善と正の相関を示した（rs －0.48、95％CI －0.69...