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市販浄水装置で術後入院患者が抗酸菌感染

2023年3月15日  Annals of Internal Medicine

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓手術後の入院患者4例に発生したMycobacterium abscessus(M.abscessus)感染クラスターの原因を記述的研究で調査。症例間の共通項を検索し、疑われる感染源を培養し、塩基配列決定から原因を特定した。 その結果、4例は期間や病室は異なるが、同じ階に入院していた。手術室、人工呼吸器、冷暖房装置、透析装置に共通項はなかった。環境培養の結果、全3棟ある入院病棟のうち、クラスター病棟の製氷機と給水機にマイコバクテリアの大量増殖を認めたが、他の2棟の製氷機や給水機、全3棟のシャワーや洗面所の蛇口ではほとんど増殖が認められなかった。クラスター棟の製氷機と給水機には活性炭フィルター付き市販浄水器と紫外線照射ユニットが付けられていたが、他の棟には付いていなかった。水道水の塩素濃度は通常だったが、この浄水器を通した後には塩素が検出されなかった。高リスク患者は滅菌水と蒸留水に切り替え、製氷機と給水機のメンテナンスを強化し、市販の浄化装置を廃止してから新たな症例は発生しなかった。...