多枝病変のACSで即時完全血行再建の非劣性確認

多枝冠動脈疾患があるST上昇型心筋梗塞（MI）または非ST上昇型急性冠症候群（ACS）患者を対象に、即時完全血行再建術の段階的完全血行再建術に対する非劣性を非盲検無作為化試験で検証した（BIOVASC試験）。主要評価項目は、全死因死亡、MI、予定外の虚血による血行再建術、脳血管事象の複合とした。 その結果、1年後に即時血行再建群764例中57例（7.6％）と段階的血行再建群761例中71例（9.4％）に主要評価項目が発生した。（ハザード比0.78、95％CI 0.55-1.11、非劣性のP＝0.0011）。ハザード比の95％CI上限値は非劣性マージン1.39を超えず、即時完全血行再建術の段階的完全血行再建術に対する非劣性が示された。全死因死亡率に群間差はなかった（即時血行再建群1.9％ vs. 段階的血行再建群1.2％、ハザード比1.56、95％CI 0.68-3.61、P＝0.30）。即時血行再建群は段階的血行再建群に比べて、MI（同1.9％ vs. 4.5％、0.41、0.22-0.76、P＝0.0045）および予定外の虚血による血行再建術（同4.2％ vs. 6.7％、同0.61...