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乳がんのHER2低発現とHER2陰性、予後の差は小さい

2023年3月19日  JAMA Oncology

米国のNational Cancer Databaseに登録の乳がん患者を対象に、HER2低発現(ERBB2-low)の乳がんが臨床的に異なるサブタイプであるかを後ろ向きコホート研究で検討。浸潤性乳がんの診断を受けたERBB2低発現患者74万3770例とERBB2陰性患者39万2246例(平均年齢62.4±13.1歳、女性99.1%)を対象とした。主要評価項目は総生存、病理学的奏効率とした。 多変量解析の結果、ERBB2陰性群に比べ、ERBB2低発現群の病理学的完全奏効率はわずかに低かった(調整オッズ比0.89、95%CI 0.86-0.92、P<0.001)。ERBB2低発現は、病期III期(調整後ハザード比0.92、95%CI 0.89-0.96、P<0.001)およびIV期(同0.91、0.87-0.96、P<0.001)のトリプルネガティブ乳がんの総生存率のわずかな改善が見られたが、この改善はIII期で5年総生存率の2.0%の改善、IV期では0.4%の改善にすぎなかった。...