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APOL1変異保有者のタンパク尿性腎症にinaxaplinが有効

2023年3月23日  New England Journal of Medicine

アポリポ蛋白L1をコードする遺伝子(APOL1)の毒性機能獲得型変異保有者のタンパク尿性腎臓病に対する小分子化合物inaxaplinの有効性を検討した。 前臨床試験で、テトラサイクリン誘導性APOL1ヒト胎児由来腎臓(HEK293)細胞を用いてinaxaplinのAPOL1チャネル機能阻害能を評価し、タンパク尿性腎臓病のAPOL1G2相同体トランスジェニックマウスモデルを用いてタンパク尿に対するinaxaplinの効果を評価した。 続く単群非盲検第IIa相臨床試験では、2つのAPOL1 変異がありタンパク尿(尿中タンパク/クレアチニン比0.7以上10未満かつeGFR 27mL/分/1.73m2以上)が見られる巣状分節性糸球体硬化症患者に標準治療との併用でinaxaplinを1日1回13週間(15mgを2週間、45mgを11週間)投与した。主要評価項目は、inaxaplinの服薬遵守率が80%以上の患者の13週時点の尿中タンパク/クレアチニン比の試験開始前からの変化率とした。 その結果、前臨床試験ではinaxaplinによるAPOL1チャネル機能の選択的阻害が見られ、マウスモデルでタンパ...