慢性副鼻腔炎小児にステロイド点鼻薬が有益

慢性副鼻腔炎の小児66例（4-8歳）を対象に、ステロイド薬鼻腔内投与の臨床的、免疫学的および微生物学的効果を非盲検無作為化臨床試験で検討。患者を12週間にわたり1日1回、鼻腔内にモメタゾンを投与するグループと塩化ナトリウム溶液を投与する群（対照群）に割り付けた。治療前後に、Sinus and Nasal Quality of Life Survey（SN-5）、鼻咽頭ぬぐい液のマイクロバイオーム解析および鼻粘膜検体での自然リンパ球（ILC）発生量評価を実施した。 その結果、63例（男児60.3％、平均年齢6.1歳）が試験を完遂した。SN-5スコアの減少で示される臨床的改善は、ステロイド群の方が有意に高かった（治療前後のスコア：ステロイド群の治療前スコア3.6、治療後スコア3.1；対照群の治療前スコア3.4、治療後スコア3.8；平均群間差－0.58、P＝0.009）。ステロイド群では対照群との比較で、鼻咽頭マイクロバイオームの豊富さが大幅に増加し、ILC3存在量が大幅に低下した。...