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コロナ患者へのヘパリン投与、効果にばらつき

2023年4月7日  Journal of the American Medical Association

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため入院した患者3320例(年齢中央値60歳、女性38%)で治療用量のヘパリン与と通常治療の薬剤の血栓予防効果を比較したマルチプラットフォームアダプティブ無作為化臨床試験(RCT)の探索的解析で、治療効果の異質性を検討した。 その結果、治療用量のヘパリン投与に臓器支持療法を必要としない日数の増加との関連は見られなかった(オッズ比の事後分布の中央値1.05、95%CI 0.91-1.22)。 従来のサブグループ解析では、治療用量ヘパリンの臓器支持療法を必要としない日数に対する効果には、試験開始前に臓器支持療法の必要性(オッズ比の中央値:必要0.85 vs. 不要1.30)、性別(同:女性0.87 vs. 男性1.16)、BMI(30未満 vs. 30以上)で差が見られた。 多変量転帰予測モデル(リスクに基づく解析)では、転帰不良のリスクが低い患者はヘパリンによる便益が得られる傾向にあり(最低十分位:オッズ比の事後確率1超、92%)、リスクが高い患者はヘパリンの害を受ける傾向にあった(最高十分位:オッズ比の事後確率1未満、87%)。 多変量因果...