成人脊柱変形の矯正手術、周術期心機能に影響なし

手術を施行予定の脊柱変形（ASD）成人患者61例（女性49例、平均年齢64.0歳）を対象に、周術期の心機能を前向き比較試験で検討。手術2週間前および手術から2週後に、心臓専門医が心エコー検査により心機能を評価した。 その結果、左室駆出率（LVEF）は術前が64.4％、術後が65.4％、収縮期の三尖弁輪最大移動距離（TAPSE）は24.9mm、25mm、収縮期の三尖弁輪最大移動速度（S’）は14.3cm/秒、15cm/秒と有意な変化は見られなかった。LVEFが59.3％未満の患者では術前55.7％、術後60.9％、TAPSEが17mm未満の患者では17.9mm、21.4mm、S’が11.8cm/秒未満の患者では10.5cm/秒、14.2cm/秒と有意な増加が見られた（P＝0.036、0.029、0.022）。LVEFが59.3％未満の患者は術前の変曲点レベルが有意に低く（1.5 vs. 2.9、P＝0.007）、S’が11.8cm/秒未満の患者は術前の胸部後弯度が有意に大きかった（28.3度 vs. 19.4度、P＝0.013）。...