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PM2.5曝露量低下による便益、低所得者層や黒人で大きい

2023年4月14日  New England Journal of Medicine

米国で、人種と所得の差による微小粒子状物質(PM2.5)への曝露と死亡への影響を検討。2000-16年の65歳以上の受給者7300万人のデータ6億2300万人年を解析し、人種(黒人 vs. 白人)と所得水準(メディケイド適用あり vs. なし)で同時に定義した下位集団の年間のPM2.5曝露と死亡との関連を推定した。 その結果、PM2.5への曝露量が少ないと集団全体で死亡率は低下したが、PM2.5の値が低下するほど社会的に疎外された集団(marginalized subpopulations)が受ける便益が大きくなると見られた。例えば、白人高所得者集団ではPM2.5が12μg/m3から8μg/m3に低下するとハザード比は0.963(95%CI 0.955-0.970)になったが、社会的に疎外された集団でこれに相当するハザード比は、黒人高所得者が0.931(同0.909-0.953)、白人低所得者が0.940(同0.931-0.948)、黒人低所得者が0.939(同0.921-0.957)だった。...