HER2陽性乳がんのAPT試験、10年転帰を報告

腫瘍径が小さい（3cm以下）リンパ節転移陰性HER2陽性乳がん患者406例を対象に、パクリタキセル＋トラスツズマブ併用による術後補助療法の長期転帰および潜在的な予後予測バイオマーカーを第II相非盲検単群試験で検討（APT試験）。今回は、プロトコルに規定された治療を受けた全患者の10年生存転帰、およびゲノムツールHER2DXを用いた探索的解析の結果が報告された。 その結果、無浸潤疾患生存イベントが31例で認められ、内訳は局所領域同側再発6例（19.4％）、新規の対側乳がん9例（29.0％）、遠隔再発6例（19.4％）、全死因死亡10例（32.3％）だった。浸潤性疾患なしの10年生存率は91.3％（95％CI 88.3-94.4）、10年無再発率は96.3％（同94.3-98.3）、10年全生存率は94.3％（同91.8-96.8）、10年乳がん特異的生存率は98.8％（同97.6-100）だった。HER2DXリスクスコアが、浸潤性疾患なしの生存（10単位増加当たりのハザード比1.24、95％CI 1.00-1.52、P＝0.047）および無再発期間（同1.45、1.09-1.93、P＝0...