聴力低下の高齢者に孤独感と要介護状態の発生が関連

愛知県東海市の65歳以上の地域在住高齢者4739人（平均年齢73.8歳、女性55.3％）を対象に、加齢に伴う聴覚障害が孤独と要介護状態の新規発生に及ぼす影響を2年間の前向き観察コホート研究で検討した。 その結果、3792人（80.0％）は聴覚障害がなく、947人（20.0％）で聴覚障害が認められた。聴覚障害なし群で孤独感があると報告した人の割合は32.0％（1215人）、聴覚障害あり群では46.6％（441人）だった。2年後の要介護状態発生は、聴覚障害なし群で4.5％（172人）、聴覚障害あり群で8.3％（79人）だった。交絡因子で調整したコックス比例ハザード回帰分析で、聴覚障害のない人では孤独と要介護状態発生に統計学的に有意な関連は示されず（ハザード比1.10、95％CI 0.80-1.52）、聴覚障害のある人では統計学的に有意な関連が示された（同1.71、1.04-2.81）。...