石けん手洗いで低中所得国の呼吸器感染症罹患率が低下

低中所得国での石けんによる手洗いを促す介入が急性呼吸器感染症（ARI）に及ぼす効果を、系統的レビューおよびメタ解析で検討。MEDLINE、Embaseなどから抽出した家庭、学校、または保育施設で実施された介入の無作為化または非無作為化の比較試験26件（参加者16万1659人、比較可能な介入27件）を解析対象とした。 その結果、介入なしと比べ、石けんによる手洗い介入でARI罹患率は低下した（相対リスク0.83、95％CI 0.76-0.90、I2＝88％）。介入により下気道感染症（同0.78、0.64-0.94、64％）および上気道感染症（同0.74、0.59-0.93、91％）の罹患率は低下したが、インフルエンザ（同0.94、0.42-2.11、90％）や新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の罹患率、全死因死亡率（出現割合比0.95、95％CI 0.71-1.27）の低下は認められなかった。ARIについて、P＜0.1で有意となった異質性の原因となる共変量はなく、GRADE法で評価したエビデンスの確実性は中程度だった。...