重症外傷患者に搬送前トラネキサム酸投与、転帰改善せず

オーストラリア、ニュージーランド、ドイツの救急医療機関15施設で、重症外傷による凝固障害疑いで高度外傷システム治療を受けた成人患者1310例を対象に、医療機関搬送前のトラネキサム酸投与で機能的転帰良好な生存率が改善するかを多国籍プラセボ対照試験で検討した。 その結果、6カ月後の機能的転帰良好な生存は、トラネキサム酸群307例（53.7％）、プラセボ群299例（53.5％）だった（リスク比1.00、95％CI 0.90-1.12、P＝0.95）。受傷後28日時点での死亡はトラネキサム酸群113例（17.3％）、プラセボ群139例（21.8％）（同0.79、0.63-0.99）、6カ月後の死亡はトラネキサム酸群123例（19.0％）、プラセボ群144例（22.9％）だった（同0.83、0.67-1.03）。血管閉塞性イベントなどの重篤な有害事象に両群間の有意差はなかった。...