難聴の有無による両側前庭障害と認知運動障害の関連性

両側前庭障害（BV）と認知および運動能力との関連を前向き症例対照研究で検討。難聴を伴うBV患者19例、伴わないBV患者22例、健常対照者28例を比較した。全被験者が2BALANCE二重課題プロトコル（5つの視覚認知課題と組み合わせた静的および動的運動課題で構成）を完了した。心的回転、視空間記憶、ワーキングメモリ、反応抑制、処理速度の5つの認知課題を、着席して行う単一課題条件下と、静的または動的運動課題を組み合わせた二重課題条件下で実施した。 その結果、いずれの患者群でも、単一課題条件下で心的回転とワーキングメモリの低下を認め、歩行時（動的二重課題条件下）には処理速度が低下した。また、難聴を伴うBV群では単一課題および二重課題条件下で視空間記憶と実行機能の低下が認められたが、難聴を伴わないBV群では二重課題条件下でのみ低下が認められた。...