2022年1月7日に実施した57歳の歩行困難な男性患者に対する遺伝子改変ブタからの心臓異種移植の症例報告。患者は末期心不全で静脈-動脈体外膜型人工肺による補助を受けており、同種移植は適さなかった。心臓移植レシピエントのケアに必要な各種パラメータを収集し、異種移植片機能不全の原因を確認するための検査を幅広く実施した。 移植後、移植片は心エコーで見たところ良好に機能していたが、術後47日目に拡張期心不全が生じた。術後50日目の心内膜心筋生検で間質性肺水腫、赤血球の血管外漏出、稀な血栓性微小血管症、および補体沈着を伴う毛細血管損傷が判明した。低ガンマグロブリン血症に対する静脈内免疫グロブリン投与後と最初の血漿交換時に抗ブタ異種抗体(主にIgG)の増加が認められた。術後56日目の心内膜心筋生検では、進行性の心筋硬化に合致する線維性変化が認められた。このほか、ブタサイトメガロウイルスまたはブタロゼオロウイルスのセルフリーDNAの力価上昇が認められた。...
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