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ACTA2変異によるアテローム性動脈硬化促進の機序

2023年8月30日  European Heart Journal

平滑筋細胞(SMC)特異的α-アクチンをコードするACTA2の変異体p.Arg149Cysが、アテローム性動脈硬化を促進する機序をマウスを用いて検討。変異体p.Arg149Cysを持つApoe-/-マウスと持たないApoe-/-マウスに高脂肪食を12週間与えて、アテローム性プラーク形成の評価とシングルセルトランスクリプトーム解析を実施した。また、Acta2R149C/+および野生型のマウスの上行大動脈のSMCを用いて、アテローム性動脈硬化に関連するSMC形質変換を調べた。 その結果、高脂血症のActa2R149C/+Apoe-/-マウスはアテローム性プラーク量がApoe-/-マウスの2.5倍だったが、血清脂質値に差はなかった。細胞レベルでは、R149Cα-アクチンのミスフォールディングが熱ショック因子1を活性化し、これによりHMG-CoA還元酵素の発現と活性が亢進することで内因性コレステロール生合成が亢進し細胞内コレステロール値が上昇する。Acta2R149C/+SMCの細胞内コレステロールの増加は、小胞体ストレスを誘導し、PERK-ATF4-KLF4シグナル伝達を活性化して外因性コレ...