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高齢の多枝病変心筋梗塞、完全血行再建術に便益あり

2023年9月13日  New England Journal of Medicine

多枝病変を有する高齢の心筋梗塞患者1445例(年齢中央値80歳、女性36.5%、ST上昇型心筋梗塞35.2%)を対象に、非責任病変を含む完全血行再建術の有益性を多施設共同無作為化試験で検討。患者は、責任病変に対して経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けており、生理学的指標を用いた完全血行再建術群、またはこれ以上の血行再建術を受けない責任病変のみへのPCI群に割り付けた。主要評価項目は、1年時点での死亡、心筋梗塞、脳卒中、再血行再建術の複合とした。 その結果、主要評価項目のイベント発生率は、完全血行再建術群が15.7%、責任病変のみへのPCI群が21.0%だった(ハザード比0.73、95%CI 0.57-0.93、P=0.01)。心血管死または心筋梗塞発生率は、それぞれ8.9%および13.5%だった(同0.64、0.47-0.88)。安全性評価項目(造影剤による急性腎障害、脳卒中、出血の複合)に両群間で差は認められなかった(22.5% vs. 20.4%、P=0.37)。...