双極I型障害、うつ再発予防に抗うつ薬維持療法の効果

抑うつエピソード寛解直後の双極I型障害患者を対象に、抗うつ薬の補助的投与を継続する維持療法の有効性を多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で検討。患者を、抗うつ薬（エスシタロプラムまたはbupropion XL）を寛解後52週間継続する群（52週群、90例）または8週時点でプラセボに切り替える群（8週群、87例）に割り付けた。主要評価項目は、生存時間（time-to-event）解析で評価したすべての気分エピソードとした。 その結果、主要評価項目の事象は、52週時点で52週群の31％と8週群の46％に生じた。52週群の8週群に対する気分エピソード発現までの期間のハザード比は、0.68（95％CI 0.43-1.10、log-rank検定でP＝0.12）だった。52週群の8週群に対するハザード比は、軽躁または躁が2.28（同0.86-6.08）、抑うつの再発が0.43（同0.25-0.75）だった。有害事象の発生率は両群とも同程度だった。試験は患者登録の遅れと資金不足のため早期に中止された。...